今回の不況によって、製造能力の重要性があらためて認識されている。識者らが指摘するように、アメリカは、付加価値の低い業務は不要であるという論理の下、アウトソーシングを推し進めた結果、さまざまな能力を失った。それらは、つまるところ人間の知識やスキルであり、製造能力を再考するとは、人と組織を問い直すことにほかならない。今後の日本産業界、とりわけ製造業の競争力を考えるうえで、大野耐一のものづくりと人づくりを再発見することにはきわめて有意義である。彼の薫陶、また影響を受けた大野チルドレンらに、その本質を聞く。
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