世界第3位のアメリカ電子機器メーカー、USテックは、台湾のODM、タイソースに全面的に生産委託してきた。しかし、この両者の関係に暗雲が立ち込め始めた。USテックのポジションは、下位メーカーの台頭によって、ぐらつき始め、さらなる低コスト化を強いられつつあった。同社経営陣は、競合他社同様、その活路を中国に求めようと考えたが、タイソースとの長年の関係を重視する調達責任者は難色を示す。ところが、タイソースはこれまで培ってきた能力を開花させようとみずからブランドを立ち上げ、市場に打って出ようと企てている。さて、これまでの関係に微妙な変化が生じつつあるなか、USテックはどのような道を選択すべきだろうか。