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職場環境はリーダーで変わる
職場環境は上級幹部次第で、人材が育って最大限の力を発揮するようにもなれば、不満の温床にもなる。どちらに転ぶかは、幹部自身のメンタル・ヘルスの状態によっても変わってくる。精神的に安定した健全な幹部は一般に、従業員にとって納得のいくルールづくりをして、業務に専念できる環境を築く。ところが、メンタル・ヘルスに不安のある人物が上層部にいると、事業計画、アイデア、対人関係、さらには組織の制度や仕組みそのものにまで負の影響が及ぶ。
私はエグゼクティブ・コーチの仕事を通して、時に、精神面で万全とはいえないリーダーと接することがある。メンタル・ヘルス上の問題を抱えた数々のリーダーと向き合い、相手を理解し、カウンセリングを行おうと努めてきた。本稿では、これまでに接してきた病理のなかで比較的多いものを紹介し、その克服をどう助けてきたかを述べたい。
特筆したいのは、それら病理は一時的な鬱状態とは異なる点である。鬱状態は、人間である以上はだれしも経験するものであり、症状が軽ければ特にコーチングなどは要しない。慢性的に強い鬱症状が見られるなら、本稿で取り上げる病理の一種である場合が多い。