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価値創造と価値獲得を両立する
スイスに拠点を置くベスターガード・フランドセンは、ストロー型の超軽量浄水器「ライフストロー」の発売を通じて、イノベーションを生み出せることを実証した。ライフストローは、汚染水からバクテリアを99.99999%、寄生虫を99.9%除去できるため、救援物資として支援団体に重宝されている。過去10年あまり、災害時支援で必ずといってよいほど配布されてきた。
だが、飲料水の問題を抱えている地域は被災地に限らない。全世界で7億8000万もの人々が、日常生活で安全な水を利用できないからだ。ベスターガードは、自社の顧客基盤であるNGO(非政府組織)よりもはるかに大きな潜在市場を見出し、製品開発とは異なる方法でもイノベーションを創出してみせたのである。
ベスターガードが乗り越えなければならなかった課題は、開発途上国の一般世帯には手の届かない、ライフストローの価格だった。そこで同社は、一般世帯がこの製品を入手できるための資金源を巧みに探り当てたのだ。それが、カーボン・オフセット・クレジットである。