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真に重要な知的資産は何か
「ナレッジ・マネジメント」の話になると、企業幹部はたいていすぐに、ビッグデータやアナリティクスは手ごわいという話題に行き着く。それも無理からぬことだ。今日では大半のマネジャーが、顧客、オペレーション、従業員に関する重要で複雑なとてつもない量のデータを利用できるようになったが、それらを有意義な知識に変換することの難しさも判明しつつある。もちろん、一般に考えられている通り、これらの膨大なデータの活用に当たって適切な人材が適切なツールを用いて存分に力を発揮することができれば、戦略上、素晴らしい洞察がもたらされるはずだ。
ビッグデータに対する期待が大きいがゆえに焦りが生まれ、企業が的外れな方向に力を入れてしまうと、もっと重要な課題、すなわち自社のすべての戦略的知的資産(自社のコアコンピタンス、専門知識を有する領域、知的財産、豊富な人材など)を適切に管理することがおろそかになる可能性がある。我々は、企業の成功につながる知識の牽引役を明確に理解しない限り、ビッグデータの真の価値はけっして得られないと考えている。
しかし、自社にどのような知識があるのか、その中で将来の成功のカギを握るのはどの部分か、重要な知識資産をどのように管理すべきか、どの領域の知識を組み合わせると有効かという点を明確に検討している企業はごく一部である。本稿では、こうした作業を管理する方法について詳細に議論しようと思う。