株主はガバナンスに貢献できるのか

 企業幹部と株主がともに歩む道は閉ざされているように見える。企業幹部は、株主がとやかく口を出したり後知恵で経営批判したりするせいで、効果的に仕事をするのがますます難しくなるとこぼす。その言い分はもっともである。

 一方で株主は、企業幹部が大した成果も上げないくせに多額の報酬を懐に入れるとこぼす。これもまたもっともな言い分である。

 両者の板挟みとなった取締役会はその機能を十分に果たせず、厳しいお目付役として振る舞うべしという周囲からの圧力は高まる一方である。本来、取締役会は友好的な助言者として振る舞ったほうが影響力を発揮できるということは数々の証拠から明らかであるのだが──。