『フォッグ・オブ・ウォー』でアカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を受賞したエロール・モリスは、もともとは私立探偵で、真実への執着心あふれるアプローチで知られる。警察官殺害事件に関するドキュメンタリー映画では、新たな事実を明らかにして、被告の冤罪を証明した。イラクで起きた捕虜虐待事件を題材とした新作では、写真を多面的に分析し、真実に迫った。モリスの着想は、写真や映像など、一見すると揺るぎない事実を語っているかのような証拠に疑念を持つところから生まれる。本インタビューでは、表面的事実に惑わされずに、本質を明らかにする思考原理を語る。