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【HBR CASE STUDY】
[コメンテーター]
エドワード M. ハロウェル(Edward M. Hallowell)精神分析医
スコット・ニーリー(Scott Neely)ロータス・キャピタル・グループ 社長
ジーン・ホランツ(Jean Hollands)グロース・アンド・リーダーシップ・センター 創立者兼CEO
マンフレッド F. R. ケッツ・デ・ブリース(Manfred F.R. Kets de Vries)INSEAD ラウル・ドゥ・ビトゥリ・ダボクール寄付講座 教授
[ケース・ライター]
スージー・ウエットラウファ(Suzy Wetlaufer)HBR シニア・エグゼクティブ・エディター
*HBRケース・スタディは、マネジメントにおけるジレンマを提示し、専門家たちによる具体的な解決策を紹介します。ストーリーはフィクションであり、登場する人物や企業の名称は架空のものです。経営者になったつもりで、読み進んでみてください。
意気消沈させるメッセージの数々
「新しいメッセージは18件です」。ノーマン・スペンサーは腕時計を見やるや否や、首を振り、深いため息をついた。昼食を取り、ジムで汗をかいていた、ほんの2時間の間に18件のボイスメールがたまっているなんて──。デスクを前に浮かない面持ちで電話機の再生ボタンを押した。
最初のメッセージは、アローヘッド・キャピタル・マネジメント(以下アローヘッド)のチーフ・トレーダー、ティム・カーソンからのものだった。
アローヘッドはサンフランシスコにノーマンが設立した投資顧問会社で、彼はそのオーナー兼社長兼CEOを務めていた。設立後22年を経た現在、同社の運用資産額は250億ドルに達し、中小ハイテク銘柄の定量分析を得意とするトップ・クラスのブティック型投資顧問会社としてウォールストリートでは名が通っていた。