【HBR CASE STUDY】

[コメンテーター]
グラント・マクラッケン(Grant McCracken)
マギル大学 客員研究員
ジャック・ソーデン(Jack Soden)エルヴィス・プレスリー・エンタープライゼズ CEO
ティモシー・ロスウェル(Timothy Rothwell)ユニバーサル・スタジオ コンシューマー・プロダクツ・グループ シニア・バイス・プレジデント
ビル・グリフィス(Bill Griffith's)漫画家

[ケース・ライター]
ポール F. ヌーンズ(Paul F. Nunes)
アクセンチュア 戦略的変革研究所 首席研究員

*HBRケース・スタディは、マネジメントにおけるジレンマを提示し、専門家たちによる具体的な解決策を紹介します。ストーリーはフィクションであり、登場する人物や企業の名称は架空のものです。経営者になったつもりで、読み進んでみてください。

OKは出たものの──

「ビル、シェルドンだ。『ルビー』は君のものになったぞ」

 シェルドンは、ハリウッドヒルズにある自邸のプール・サイドに座り、その言葉が相手に伝わるのを待った。

 シカゴの現在時刻は朝の8時30分だが、ここロサンゼルスでは、まだ6時30分である。大声で電話するには少々時間が早いと思った。

「どいつもこいつも『ルビー』をほしがっていたが、私は君こそがふさわしいと話したんだ。『ルビー』はかなり大きなビジネスになる。いままでとは規模が違うぞ。これはまだ始まりにすぎない」