仕事に自分の存在理由を見出している人たち

 最近、新製品の開発について研究していて、創造的コラボレーションが頓挫する様子を目の当たりにした。次の休暇シーズンに合わせて新たなヒット商品を投入する必要があった玩具メーカーでの出来事だ。

 社内で最も才能にあふれたゲーム開発者の一人が、開発初期段階の会議でカーレースゲームのプロトタイプを試演した。すると、マーケティング担当者のカイル(仮名)が、「もう一つ何か(クリーチャー)を登場させるべきではないでしょうか」と発言した。だが、当の開発者は取り合わなかった。それどころか、クリエイティブデザインについて専門知識を持ち合わせていないカイルが口を挟んだことに不満の様子だった。

 しかし、カイルの直感は正しかった。数週間後にデザインチームは、敵役(またはクリーチャー)を加えればゲームがさらに面白くなるだろうと結論づけた。だが、残念ながら時間切れだった。新しい要素を盛り込んだら、ゲームの出荷が休暇シーズンに間に合わないおそれがあったのだ。こうしてプロジェクトはお蔵入りと化した。