1980年から2013年の
企業の成長を振り返る

 これこそ「最悪の状況の正反対」と呼ぶべきだろう。企業にとって並外れて好都合な経済環境を生み出した、複数の外部環境の組み合わせのことだ。北米および欧州の巨大な多国籍企業はこの30年間、そのような状況の中を順風満帆に渡ってきた。彼らは戦後、最も長く続く最も力強い一本調子の収益性向上を実現できた。堅調な収益増とコスト効率を支えてくれた外部環境のおかげである。

 1980年から2013年までの間、グローバル企業の税引後営業利益は、世界全体のGDPの伸びを30%上回る勢いで成長した。今日彼らの税引後営業利益は、世界全体のGDPの9.8%を占め、1980年の7.6%から増加している。純利益も世界全体のGDP成長率を50%以上上回る勢いで伸び、1980年には世界全体のGDPの4.4%だったのが、2013年には7.6%を占めるに至っている。北米および西欧の企業はいまや世界全体の企業利益の過半を手にしている。北米の企業は過去30年間で税引前営業利幅を65%増やした。彼らの税引後営業利益を国民所得に対する比率で見ると、現在は1929年以降で最も高い水準にある(主要な数値については図表1「爆発的な利益急増期」を参照)。