他の顧客接点においても同じことがいえる。消費財などのB2Cビジネスを例にとると、顧客は店舗を訪れることもあれば、Webサイトで情報を取得することもある。コールセンターへの問い合わせもある。こうした顧客接点においても、チャネル統合が重要だ。
組織の分断は、結果として様々な損失をもたらしている。例えば、顧客接点で収集した情報が共有されていなければ、せっかくコールセンターで気づきを得たとしても、顧客が店舗を訪れたときに気づきに基づいた対応ができない。
縦割りの予算配分がマーケティング予算に歪みをもたらしている面もある。福田氏は媒体ごとの予算配分の硬直性に加え、新規顧客と既存顧客に向けた予算の問題点も指摘する。
「一般に、マーケティング費用の八割以上は新規獲得のために使われているといわれます。多くのマーケターが課題を感じていますが、予算配分の変更は難しいのが現状です」
サイロ内のデータを
ツールで可視化する
デジタルマーケティングツールは、サイロ内のデータを統合し、可視化する。これにより見込み客獲得から購入、ロイヤルカスタマーという流れを、顧客軸で一貫して管理することができる。
「顧客がどの段階に何人いるのか、ボトルネックがどこにあるのかが見えれば、自ずと対策が見えます。施策を実行して成果が上がらなければ、別の施策に切り替える。このPDCAサイクルの基盤となるツールを、当社は提供しています。ツールの導入をきっかけに、再編した新しい組織づくりも可能です」と福田氏は言う。