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企業が短命化している
企業を取り巻く経営環境は複雑さを増す一方である。事業環境はかつてないほど多様化し、ダイナミックに変化し、相互関連を深めている。これほど先が読めないことはかつてなかった。それなのに多くの企業はいまだに古典的な方法で戦略を決めている。そのやり方は変化の少なかった時代に開発されたものであり、長期間生き抜くための企業の生命力よりも、短期的業績の極大化を重視した分析・立案が中心だ。そのようなやり方で戦略を決めた企業は、その後どんな調子でいるのだろうか。
我々はその答えを探るため、3万社を超える米国の上場企業について、50年超の期間を対象に、その寿命を調査してみた。結果は容赦ないものだった。企業はかつてないほどのスピードで消え失せている(図表「短命化する企業」を参照)。破綻、清算、M&Aなど理由は何であれ、いまや上場企業が今後5年以内に上場廃止になる確率は3社に1社である。40年前の6倍の確率だ。企業を「永続する組織」だと思っている人もいるかもしれないが、いまや企業は平均すると自社の従業員よりも若い年齢で死にゆく存在である。そしてこのような死亡率の上昇は、企業の大きさや歴史、業界などに関係なく見られる。企業の規模や経験も、早世の予防にはならない。