有望なアイデアを見極める
新たな評価基準が必要

 ビジネスの世界には、新たな商品、サービス、ビジネスモデルのアイデアがあふれている。そして、デザイン思考やクラウドソーシングといった強力な発想プロセスのおかげで、企業は驚くほど簡単に、また比較的安価に、社内および社外(顧客、デザイナー、科学者など)から膨大な数の斬新なコンセプトを集められるようになった。

 にもかかわらず、大きなチャンスを見つけても、それを活用するのに苦戦している組織は多いものである。

 最近、ある世界的な家庭用電化製品メーカーの部長がこんな話をしてくれた。「アイデアはふんだんにあるのですが、正直なところ、それらをどうしたらよいのかがわからないのです。奇抜なアイデアをいくつか調査してみても、結局、馴染みのあるアイデアでいこうという話になってしまいます」。私の見るところ、この会社は例外ではなく、むしろ標準である。なぜ、このようなことになるのだろうか。