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交渉相手が嘘をつきにくい会話の進め方
人間は嘘をつく生き物だ。社会心理学の厳密な調査でも、そのことは明らかになっている。しかも人間は頻繁に嘘をつく。ある有名な研究によると、人間は平均して毎日1つか2つの嘘をつくという。交渉の場につく人々も例外ではない。
1999年と2005年に行われた研究から判断すると、取引を成立させようとする人々の約半数は、何らかの動機と隙さえあれば嘘をつく。彼らは通常、それは交渉でイニシアティブを握る方法と見なしている(しかし実際にはかえって逆効果となり、ウイン・ウインの取引に至るための独創的な問題解決を妨げるおそれがある)。したがって交渉に当たる際には、(数ある有形無形の交渉材料の中でも)嘘という無形資産が使われることを予想し、これを防ぐ手立てを講じなければならない。
ほとんどの人は、嘘を見破るのが上手になれば、この問題を解決できると思い込んでいる。相手が嘘をついているかどうかは、何気ない行動を手がかりにして確実に見分けられる、という考えが浸透しているのだ。はったりをかける場合もあるポーカーなどのゲームの世界では、この何気ない行動のことを「テル」(tell:無意識に出る癖)と呼ぶ。