
阿久津 徹氏
-御社のコンサルティング部の強みは何でしょうか。
阿久津 当社のコンサルティングの特徴は、人と組織への深い洞察と、事業理解に注力している点です。顧客企業の事業特性、人事制度の仕組みを十分に理解した上で解決策を提示します。
コンサルティング部は研究開発部門に属しています。その理由は、当社の50人のコンサルタントが日々、最先端の顧客課題に接しているからです。私たちはその課題に対するソリューションを開発し、顧客課題の解決につなげています。そうしたカスタムメードのソリューションを、アセスメントやトレーニングの新たなパッケージとして事業化につなげていくための研究開発機能も担っているのです。
-御社のプロジェクトの進め方について教えてください。
阿久津 一般的に一つのプロジェクトは分析・診断、施策設計、施策の展開支援という3つのフェーズからなり、3カ月から1年程度の期間で実行しますが、5年、10年と継続的にお付き合いさせていただくお客様も少なくありません。
例えば、人事制度を導入した後、評価の運用制度を導入したい、マネジメントの質を向上させたい、といったように、企業の成長とともにずっと伴走していくようなあり方を、私たちは意識しています。
当社のコンサルタントはチームを組みながら、同時に4~5つのプロジェクトに関わります。他のファームと比べて経験密度が濃いので、コンサルタントとしての成長スピードが速いのが特色です。また、当社のアセスメントやトレーニングを利用されたことをきっかけにコンサルティングを依頼されることも多く、他の部署と協働する機会が多いことも当社のコンサルティング部の特徴の一つと言えます。リクルートグループの一員としてプロジェクトに参加することも少なくありません。私たちはグループ全体として非常に豊富な顧客資産を持っており、さまざまな協力や相談の案件をいただきますが、グループ各社が企業の枠を超えてチームを編成し、課題解決を支援しています。
個性を尊重しつつ
チームとしての価値を追求
-他の企業と比較して、企業風土に違いはありますか。
阿久津 組織の中で大事にしているバリューの一つに、「支え合う、生かし合う」という言葉があります。それは、「一人ひとりの強みや個性を尊重しながら、チームとしての価値を追求しよう」というものです。個性を尊重するということは、その人のWILL(意志)や動機の源泉をしっかり見ていくということです。
たとえば、手を挙げてチャレンジする人に対して、周囲が手を差し伸べる文化が当社にはあります。能力やパフォーマンスだけを見るのではなく、一人ひとりがやりがいをもって生き生きと働けているかということに、私たちは互いに敏感なのです。とはいっても、“待ち”の姿勢の人には合わない組織だと思います。
まずは自分のWILLが明確であること、実現したいビジョンがあり、みずからの仕事を成長機会としてとらえられる人。そういう者同士が互いに支え合い、生かし合う企業風土なのです。