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米国の全従業員の半数が
上司から逃れる退職を経験
一流のテクノロジー企業で働くステイシー(本稿に出てくる人名はすべて秘密保持のために仮名)は、仕事が大好きだった。ただしそれは、上司が転職して一変した。後任マネジャーのピーターは、個人あるいは集団としての業績にかかわらず、引き継いだチームのメンバーがことごとく気に食わないようだった。打ち解けにくく、何かと細かい指示を出し、自分の発案ではないプロジェクトはどれも無価値と見なす傾向にあった。1年も経たないうちに、彼はステイシーの同僚を何人も入れ替えた。
当初、ステイシーは新しい上司の信頼と関心を得ようと、フィードバックや指導を求めた。しかし、ピーターはそれに応じなかった。ステイシーがどんなに努力しても、気心を通じ合わせることはできなかった。
数カ月が経ち、彼女はついに一連の問題を人事部に申し立てることにしたが、同情を示す以上のことはしてもらえなかった。ピーターの管轄部署は著しく業績が悪化しているわけではなく、ほかに誰も苦情を申し立てていなかった。したがって、会社側は措置を講じようとしなかったのである。