-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷
-
PDFをダウンロード
国際情勢の不安定化と多国籍企業
2014年2月、ロシアはウクライナのクリミア半島に侵攻し、翌月にはクリミアの併合を発表した。この突然の行動は、欧州においてここ数十年間では初めての大きな戦略上の危機が始まったことを意味しており、ビジネスリーダーにとっても警鐘を鳴らすものとなった。
危機が明らかになる中、イングランド銀行は企業幹部のシステミックリスクに対する考え方を調査し、6月に注目すべき結果を公表した。調査対象者の57%が、自社の直面する最大の課題として地政学リスクを挙げたのである。前年はわずか13%だった。同行のその後の調査でも、サイバー攻撃、金融破綻、さらには景気低迷をも上回り、地政学リスクが常に最大の課題に挙げられた。
地政学が再び脚光を浴びている。最近の英国EU離脱の決定がその好例だ。それは英国とEUの関係だけでなく、EUの今後のあり方そのものにも大きな影響を与えるだろう。