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従業員中心の企業文化を築くには
従業員を力づけて意欲をかき立てるため、企業は率先して絆を結ぼうとしている。従業員エンゲージメントの嘆かわしい状況を、企業が憂慮するのも無理はない。エンゲージメントが向上すれば、多大なメリットを得られるからだ。高いエンゲージメントとは通常、従業員がみずからの仕事と同僚に対して強い絆を感じ、自分自身が大きく貢献していると考え、学ぶ機会を十分に享受している状態を指す。ギャラップが数十年分のデータを対象に行ったメタ分析によれば、エンゲージメントが高いと、個人と組織の両方に一貫して良好な結果がもたらされる。たとえば生産性や製品品質の向上、収益性の改善などが見込めるという。
したがって、従業員中心の企業文化を築けば、企業側にメリットが期待できることは明らかだ。しかし、そうした企業文化をうまく築くにはどうすべきだろうか。企業文化を築こうと思う組織は、おいしい食事や「カラオケフライデー」といった従業員特典を思い付きで導入するのが通例で、気まぐれな流行に振り回されることも多い。
また、仕事に対する満足度を金銭で買えないことは実証されているが、組織はいまだに「金の手錠」と呼ばれる多額の金銭的報酬で優秀な人材をつなぎ止めている。こうした措置によって仕事に対する満足度は、短期的に高まるかもしれない。しかし、離職防止や業績に対して息の長い効果は得られないのだ。