知識労働において、仕事のやりがいなどの内発的要因は、金銭によるインセンティブよりも重要であることは、理論と実践の両面から長らく支持されてきた。しかしその具体的なメカニズム、すなわち社員は仕事をしながら何を考え、どう感じているのか、それが成果にどう影響しているか、本格的に注目したのは本稿が最初である。238人のプロフェッショナルに、プロジェクト期間中の日誌を記入してもらい、蓄積された12,000件近くのデータの分析によって、「インナー・ワーク・ライフ」(個人的職務経験)が社員のみならず、企業のパフォーマンスにも大きく影響していることが明らかになった。