リーダー育成のエクセレント・カンパニー

 ゼネラル・エレクトリック(GE)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、ボン・セクア・ヘルス・システムの共通点がおわかりだろうか。

 GEは「想像をカタチにする」をスローガンに、売上高1630億ドルを誇るコングロマリットである。同社はまた、多くの逸材を輩出し続けていることでも有名である。GEのリーダーたちは、一心不乱に創意工夫に努め、ヒット商品や斬新なサービスを生み出す。そのコンセプト開発と決断力には定評があり、包容力のあるチーム・リーダーであると同時に、何らかの分野の専門家でもある。

 2006年度の売上高が530億ドルに達したJ&Jの企業理念「我が信条(クレド)」 は、「我々の第一の責任は、我々の製品およびサービスを使用してくれる医師、看護師、患者、そして母親、父親をはじめとする、すべての顧客に対するものであると確信する」という一節で始まる。

 J&Jといえば、リーダー育成での評判が高く、同社のリーダーたちは科学的かつ高品質の製品やサービスを提供し、病気の症状緩和や治療、人々の生活水準の向上に貢献している。

 あるJ&Jの女性マネジャーは、CSR(企業の社会的責任)について高い見識の持ち主であり、新製品開発や差別化に粘り強く取り組むことで知られている。彼女は正々堂々と製品市場で競争するため、消費者からの信頼獲得、そして品質と安全性の向上に日夜腐心している。

 メリーランド州マリオッツビルに本拠を置く非営利の医療法人、ボン・セクア・ヘルス・システムは、「困っている人々に救いの手を」("Good help to those in need")というミッションを掲げ、多くの病院や介護施設を運営している。

 1万9000人のスタッフを擁するこの組織は、カトリック系医療施設としての目的に従い、機敏な対応を最優先に考えるリーダーの育成に力を注ぐ。すなわち、医療施設の運営以上に、患者への思いやりや慈愛に満ちた医療サービスを施し、ビジネスとしても成功することを目指している。

 さて、共通点はおわかりだろうか。3社のほかにも、ペプシコ、ゴールドマン・サックス、ウォルト・ディズニー、ボーイング、ハーマンミラーといった企業にも、優れた人材を数多く輩出しているという共通点がある。他社へ転じて経営トップに上り詰める人材も多く、まさしく「リーダー養成機関」といえよう。