2016年のリストとの類似性

 15年以上前に、スタンフォード大学の元教授で、みずから設立した経営研究所の所長も務めるジム・コリンズは、弾み車を比喩として用いながら、強いビジネスリーダーシップを持続させる力について提唱した。

 コリンズは2001年の自著『ビジョナリー・カンパニー2──飛躍の法則[注]』において、企業は一夜にして「飛躍を遂げる」ものではないと書いている。それよりも、企業は「弾み車を一貫した方向に押し続け、一歩ずつ、一回転ずつ勢いを蓄積していけば、いずれブレークスルーに達し、その上に上り詰められる」のだ。ひとたび弾み車が回り始めれば、多くの場合ずっと回り続けるものだとコリンズは述べた。

 この勢いの力(モーメンタム)は、2017年版世界のCEOベスト100にも顕著に表れており、今年と昨年のランキングとの間には明らかな一致が見られる。今年のトップ3のうち2人は、2016年のトップ3にも入っており、トップ25のうち16人は昨年もトップ25に名を連ねた。昨年のベスト100のうち72人は2年連続で、23人は4年連続で登場している。