CEOの時間管理について
包括的で大規模な調査を実施

 マネジメントの辞書では、CEOはリーダーシップの範を示す存在とされる。ところが、その独特な役割については驚くほどわずかしか知られていない。CEOは社内では最高権力者だが、他者がほとんど気づかない課題や制約に直面している。

 大規模なグローバル企業の舵取りは極端に複雑な仕事である。そのような組織のマネジメント業務は実に幅広く、職能別および事業ユニット別の課題、複数の組織階層、多数の対外的テーマなどを扱う。加えて株主、顧客、従業員、取締役会、メディア、政府、コミュニティ組織をはじめとした多様な組織や人が関係してくる。CEOは他の経営幹部と異なり、これらすべてに関与しなくてはならない。そのうえ、良い時も悪い時も社内外に向けて、会社の顔としての役割を果たさなくてはならない。

 もちろん、多大な助力と経営資源を活用することはできる。ただし、ある一つの資源に関しては、組織内の誰にも増して深刻な不足に直面する。それは「時間」である。CEOにとっては、なすべき仕事をすべて片付けるには慢性的に時間が不足しているのだ。にもかかわらず、組織の全業務に責任を負う立場であることに変わりはない。