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CEOが正しい判断を下すために
大型組織を率いるCEO、いや、組織の大小にかかわらず、CEOの最大の責務は、抜本的な方向転換が必要かどうかを認識することだ。実際、大胆な行動計画はCEOが頷かなければ実行できない。
しかしCEO職に備わった権力と特権ゆえに、おそらく社内の誰よりも情報にうとくなってしまう場合もある。みずからの思い込みに疑問を抱かせるような情報、迫り来る脅威やチャンスを教えてくれる情報から隔離されてしまうのだ。皮肉なことに、高い地位に要求される任務をまっとうするには、何らかの方法でその地位から一歩足を踏み出さなければならない。
チャールズ・シュワブのCEOであるウォルト・ベッティンガーはこのジレンマを、彼の任務の「最大の課題」だと称する。彼いわく、社員には「CEOが聞きたいと思うことを話すタイプと、聞きたがらないと思うことを話すのを躊躇するタイプ」の2種類がいるという。どの階層のマネジャーも何らかの形でこの課題を味わうが、「その束縛は経営幹部レベルで最も強い」と彼は指摘する。