社員の不正行為を防ぐ有効な手立てとは何か
大手銀行ウェルズ・ファーゴに開設された数百万に及ぶ不正口座や、ドイツ自動車メーカーのフォルクスワーゲンによる排ガス規制のごまかし、そしてブラジルの政府と経済に損害を与えた国営石油会社ペトロブラスによる賄賂の横行──。
近年、こうした企業スキャンダルが世間をにぎわせている。そのほかにも、世界的には知られていない事件が山のようにある。公認不正検査士協会(ACFE)によると、不正事件の半分近くは公表されることがない。さらに、一つの組織が不正に手を染めると、毎年売上高を300万ドル近く失う計算になるという。
また、EY(アーンスト・アンド・ヤング)が「2016年不正行為グローバルサーベイ」でインタビューした企業幹部3000人近くのうち、実に42%が「財務目標を達成するには非倫理的な行為は正当化できる」と答えていた。明らかに、不正行為は現代の民間企業に深く根付いてしまっている。