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集中が進む米国経済
アップル、アマゾン、グーグル、フェイスブックは、圧倒的なブームを巻き起こしている企業にもかかわらず、経済学者や法学者、政治家、政策通の面々から厳しい目を向けられるようになってきた。その規模と力を使って、将来のライバル候補企業を押し潰しているとの非難が増えているのだ(欧州の規制当局にはずっと昔から目をつけられていた)。この四大ハイテク企業はそれぞれ固有の問題を抱えているが、同時に大きなテーマを一つ共有している。米国経済全体で競争がほとんどないというやっかいな問題である。
ほとんどの産業で集中が進んでいることは明らかだ。業界全体の売上高に占める大企業のシェアは拡大し、投資に対する利益の割合もかつてないほど大きくなってきた。もちろん、これは必ずしも悪いことではない。経済界の五大巨頭(デイビッド・オーター、デイビッド・ドーン、ローレンス・カッツ、クリスティーナ・パターソン、ジョン・ヴァン・リーネン)が指摘するように、集中と利益の拡大は、技術革新の健全な、いやおそらく歓迎すべき結果だ、とさえいえるのかもしれない。
いま目にしているのは「勝者の(ほぼ)総取り」で、生産性の高いスーパースター企業ほど大きなシェアを得られるという世界であり、アマゾン、アップル、フェイスブック、グーグルがトップになったのはイノベーションの度合いが高いからだ、と経済学者たちは主張する。ボストン大学のジェームズ・ベッソンによると、ハイテク以外の業界でトップ企業の売上高シェアが高まっている理由は説明がつく。各社が独自の重要技術を採用しているからである。要するに、トップ企業の成長はうまい経営にあるのだ。