CIOを除いて、経営陣の大半がITを評価しているが、興味がない。なぜなら、種類や数も膨大で、技術進歩のスピードが速いため、およそついていけないからである。それゆえ、「CRMによって顧客により近づくことができる」「SCMによって適正在庫を実現できる」などの売り文句にだまされやすい。しかしこれでは、投資と資源配分を預かる者としての責任は果たせない。そこで本稿では、シスコシステムズやBMW、イタリアのドゥカティ、ドイツのドレスナー・クラインオート・ワッサースタイン、アメリカのドラッグストア・チェーンのCVS、フード・サービスのシスコ・コーポレーションなどの事例を引きながら、ITにうとい経営者のために、ITを三つに類型化することで、正しい理解に基づいてITに投資し、経営者として適切なコミットメントを傾けるためのアドバイスを紹介する。