サービス業には、製造業にはない「変数」が多い。たとえば、来店時間、要望、顧客の能力水準、個々に異なる嗜好などだ。サービスのコストとサービスの満足度をバランスさせるには、これらの変数を見極め、それにふさわしい戦略を選択しなければ、ティファニーやゲートウェイ、ファースト・ユニオン、さらには、信じられないが、あのサウスウエスト航空のように、ロイヤル・カスタマーたちの機嫌を損ね、これまでの苦労が水の泡になる。本稿では、サービス・デリバリー・システムにおける主要変数五つとそれらに対処するための四つの戦略を紹介しながら、顧客サービスの質と効率性を両立させる方法について解説する。