グローバル化に伴うプロジェクトメンバーの多様化だけでなく、日常の業務遂行でもメンバー間の情報共有の遅滞や認識の差などが発生する。情報ギャップはコミュニケーションギャップへと拡大し、プロジェクト進捗の大きな阻害要因になる。この解決策は「タスク管理」と「カンバン方式」にある。
モチベーション低下にもつながる
普遍的な人事課題
プロジェクトなどで、業務の円滑な進捗を阻害する原因の一つが、チームのメンバー間の「コミュニケーションギャップ」である。情報や進捗状況が共有されていなかったり、情報の重要性についての認識に差があったりすると、メンバーの作業は勝手な方向に、勝手なスピードで進み始める。
そうなるとマネジメントは統率を失い、作業そのものや成果物の品質にばらつきが生まれ、さらにはメンバー間の作業量に違いが生じてモチベーションの低下を招く事態にもつながる。コミュニケーションギャップは、職種や職位を問わない、ある意味で普遍的な企業の「人事課題」だ。
そもそもメンバーには、その能力を最大限に発揮した仕事が期待され、具体的な作業が割り振られている。それを達成させるためにマネジャーは、メンバーの能力を引き出そうと煩雑な打ち合わせを減らしたり、テレワークなど本人の事情に即した働き方を支援したりもする。
だからこそ作業の状況が適切にマネジャーに報告され、その上でメンバー全員に共有される「報・連・相」の大切さが説かれるのだが、現実にはそれがスムーズにいかないケースが多い。マネジャーは、「もっと早く相談してくれればよかったのに」と悔しがり、メンバーは「忙しそうなので相談できなかった」と言い訳するのは日常茶飯事だ。
それが結果的に、成果や作業の品質低下を招く大きな要因になってしまう。このコミュニケーションギャップの課題はいかに解決すべきか。
PR TIMESでコミュニケーションギャップの解消をめざすタスク・プロジェクト管理ツール「Jooto」の事業責任者を務めている原悠介・Jooto事業本部長は、「コミュニケーションギャップを発生させない最も基本的で重要な視点は、チームメンバーの動きを、簡単かつ一目で全員が把握できるような仕組みを創ることです。個々のメンバーがどのようなタスクに挑み、それはどのような段階にあり、その上で自分が支援できることはないかなどと考えられる環境を創造するのです」と語る。

それは言葉を換えれば、各々のタスクに関わる情報が、個々のメンバーの中に〝秘匿〟されない、オープンな状況を創りだすことだとも言える。現在の取り組みと課題をすべて包み隠さず開示させる(秘匿できないようにする)ことで、進捗やメンバーが抱えている作業量を把握し、作業密度の差があれば解消するための手を打つ。
「順調に進捗しているタスクがあれば、その作業手法を共有することで標準化や平準化が促され、各種のコミュニケーションギャップも解消されていきます」(原本部長)
チームメンバー個々の動きと全体の動きを同時に、かつ一目で見られる方法として活用されてきたのが「カンバン方式」だ。ホワイトボードにタスクの進展に応じた区切り(フェーズ)を設け、そこに個々のメンバー名と作業内容を記した付箋を貼っていく。例えば「to do」「進捗中」「フィードバック待ち」「リリース済」といったフェーズがあると、「to do」が決まれば付箋は「進捗中」へと貼り替えられ、そこには担当者名と作業内容が記される。
原本部長はこのカンバン方式がコミュニケーションギャップを解消する有効な手段だと考えた。そこで生まれたのが「Jooto」である。