研究の概要

 マイアミ大学のマイケル F. フレンチが率いる研究チームは、米国の2000人以上の被験者を調査し、タトゥーのある人とない人では被雇用率に差が見られず、平均収入も変わらないことを明らかにした。それどころか、タトゥーのある男性はない男性に比べ、定職に就いている確率がやや高かったという。

 フレンチらはこの結果から、「タトゥーは就職に影響しない」と結論付けた。フレンチ教授に、この研究について論じてもらった。以下はその要約である。

タトゥーがあるから職に就けるということではない

フレンチ(以下略):調査開始時には、タトゥーと労働市場における成功との間に、負の関係があると予想していました。この研究論文の共同執筆者であるマイアミ大学のキャロリン・モーテンセンとウェスタンオーストラリア大学のアンドリュー・ティミング、そして私は、タトゥーがある人は賃金が低く抑えられたり、就職探しに苦戦したりするのではないかと考えていました。過去のマネジャーに対する調査では、タトゥーをしている応募者は採用したくないと回答していたからです。