段階的な価格設定が利益をもたらす

 自動車保険業界は長年、単純な前提の下に事業を行ってきた。消費者は価格に極めて敏感で、できる限り安い保険に入ろうとする、という前提である。

 ところが2000年代の初め、オールステート保険は調査を実施し、その前提を見直すことになった。価格はたしかに重要だが、それだけではないということを同社は学んだ。多くのドライバーは、事故を起こした時の保険料引き上げを心配しているのだ。また、事故歴のないドライバーは、それに対する特典を望んでいた。

 こうした知見を得たオールステートは2005年、「ユア・チョイス・オート」という保険プランを発売した。同社はこのために「初回事故免除」と呼ばれる標準的な保険約款(その販売は継続)を一部修正した。初回事故免除とは、5年間無事故ならば、最初の事故では保険料が上がらないというものだ。