ビジネスには、同時実現させるべきだが、対立しがちな目的がある。すなわち「収益性と成長性」「短期志向と長期志向」、そして「全社業績と事業ユニットの業績」である。経営者は日々、いかにこれをバランスさせるかに頭を悩ませている。これら三つの対立軸すべてを管理すべきなのは言うまでもないが、状況によって、最優先すべき対立軸は異なる。ところが、そこで間違った対立軸を重視している企業が多い。コカ・コーラ、ジレット、BP、バークレイズ銀行などの例を引きながら、正しい対立軸を選択し、正しく管理することで、企業価値を高める方法を解説する。