部門横断型プロジェクトが頓挫してしまう理由
数十億ドル規模の売上高規模に上るエネルギーシステム会社(A社)の経営陣は数年前、自社製品に関わるアフターサービスを提供することにした。この新しいサービスプランは、かなりの収益を新たに生み出すことが確実で、会社にとって戦略的に重要なものだった。
成功のカギは「サービスプランと販売プロセスをいかに切れ目なく統合するか」。そして、それを実現させるために「販売部門とサービス部門の社員を集めて、いかに社内連携(コラボレーション)させるか」だと、同社の経営幹部は確信していた。
部門横断型の社内連携が現在のビジネスで果たす中心的役割は、よく理解されている。企業は、どのようにイノベーションを計画し、意義ある存在であり続け、解決不能だと見られる問題を解決するのか。ないし、どのようにして変化する顧客の期待に応え、市場シェアを維持し、ライバルに後れを取らないようにするのか。成功や競争、生き残りの計画をどのように立てるのか──。スターバックスにスペースXから、ブティック型の銀行や醸造所まで、企業の規模や形態を問わず、社内連携の持つ重要性が理解されている。