リーダーシップ開発にたずさわる人々の間で、マインドフルネスに対する関心が高まっている。最近開かれた会議では、マインドフルネスは組織のあらゆる問題を解決できると、宣教師のような熱心さで説くトレーナーもいた。多くの人が流されてしまうのも無理はないと思える過熱ぶりだ。
筆者らが話をしたあるHR部門の責任者は、会社の取締役たちを対象に2時間のマインドフルネスのワークショップを行ったことを、いかにも嬉しそうに語っていた。レジリエンス(再起力、折れない力)や集中力、異論や困難に対するオープンな姿勢を養うのが目的だったそうだ。
しかし、マインドフルネスに対するこのような期待の多くは、信頼できる証拠に基づくものではなく、そうであってほしいという願望から生じている。実のところ、マインドフルネスの訓練によってリーダーシップの質が高まったことを示すデータはほとんどない。