これまでの研究から、複数の人間に共同で問題解決に当たらせるのは、利点も欠点もあることがわかっている。集団で問題解決に当たると、メンバーが互いに学び合うため、たいていはより質の高い解決策が導かれる。ところが、一人での問題解決では、集団の影響による制約がないため、より斬新かつ創造的な解決策が生まれる。

 最近行われた研究では、集団と一人、それぞれのパフォーマンスが、「時間」という変数を加えた影響でどうなるのかを検証している。

 一連の実験では、複雑な地図上で最適解を割り出す問題を複数出題し、解答してもらった。これは、出張中の営業担当者に降りかかる課題と似ている。彼らはさまざまな都市の顧客先を訪問するのに、最も効率的なルートを見つけなければならないからだ。