「リーダーになりたければ、リーダー然と振る舞うことが大切だ」といわれる。つまり、みずからの優越性を示し、自分が仲間の中で際立つ存在であることを証明することが必要というわけだ。しかし最近行われた研究によれば、こうした行動は、リーダー職への速やかな昇進を可能にすることが多い一方で、部下を導く能力を危うくする可能性があることが明らかになった。

 この研究では、ある訓練プログラムに参加した、英国海兵隊の新入隊員218人を追跡調査している。このプログラムでは終了時に、新入隊員と指揮官たちが、最も高いリーダーシップ能力を備えた新入隊員を、投票で選ぶことになっていた。またプログラム実施中、参加隊員たちに自分がリーダータイプかフォロワー(副リーダー)タイプのどちらに該当するかを、定期的に評価してもらった。

 その結果、みずからをリーダータイプと評価した隊員たちは、指揮官からはリーダータイプだと見なされていたが、他の新入隊員たちの信任を得ることができていなかった。新入隊員たちは、みずからをフォロワータイプと評価し、指揮官にもそのように見なされていた隊員に投票していた。