ネスプレッソに象徴される3つの構造変化
ネスレは使い切りのエスプレッソカプセル、ネスプレッソを主力商品にしようと準備していた際に、利用者にはポッド式の特製マシンが必要になることがわかっていた。そこで、メーカーネットワークを築いた。
といっても、ユーラ、クルプス、ブラウンなどのコーヒーメーカーを買うように顧客に伝えたのではない。どのメーカーをリストに載せるかをただ決めたのだ。カプセルとインターフェース部分は特許取得済みであり、他のメーカーは許諾なしにネスプレッソ互換機を製造できなかった。
ネスプレッソが計画的につくっていたのは、エコシステム(生態系)、すなわち、複数分野にまたがって編成されたネットワークだ。関係企業は共通の基準に従い、時には共通プラットフォーム上で、各々の製品・サービスを適合させるために取り組む。互いに結束を固めることで、部外者は侵入しにくくなる。