環境に優しいビジネスに
関心が集まっているが……

 表向きには、サステナブル(持続可能)な製品やサービスを投入するのに、またとない時期のようだ。消費者、特にミレニアル世代は次第に、パーパス(存在意義)とサステナビリティ(持続可能性)を尊重するブランドが望ましいと語るようになっている。実際に、最近のある報告書には、ある製品カテゴリーでサステナビリティを前面に打ち出したところ、従来品の2倍の成長を示したとある。

 しかし、グリーンビジネスの中心には、もどかしいパラドックスが残っている。環境に優しい製品やサービスに対して好ましく感じると答えた消費者のうち、実際に購入までに至るのは少数派にすぎないのだ。最近の調査では、回答者の65%がサステナビリティを打ち出したパーパス重視のブランドを購入したいと言ったものの、実際にそうしている人はわずか約26%だった。

 この「意図と行動のギャップ」を縮小することは、企業のサステナビリティ目標を達成するためだけでなく、地球のためにも大切だ。消費財大手のユニリーバの推定では、カーボンフットプリントのほぼ70%が、顧客がどの製品を選ぶか、また、その製品をサステナブルな方法で使用したり廃棄したりするか(たとえば、洗濯時に水やエネルギーを節約する、使用済み容器を適切にリサイクルする)によって決まる。