協働は理念ではなくスキルである
リーダーに「あなたの組織は協働(コラボレーション)を重視していますか」と尋ねると、「はい」という威勢のよい返事が得られるだろう。他方、「協働を盛んにするための御社の戦略は実を結んでいますか」と問いかけると、おそらく別の答えが返ってくるはずだ。
大手製薬会社の経営幹部からは最近、「協働への変革は効果が続かないか、期待通りの成果が上がらないか、どちらかのようです」と聞かされた。このテーマについてこれまで何十人もの企業リーダーに意見を求めたが、大多数が似たようないら立ちを表明する。多大な期待や努力とは裏腹に、成果は微々たるものだというのである。
一つには、リーダーたちが協働を非常に狭くとらえているという問題がある。育てるべき理念として位置付ける一方、教えるべきスキルとは見なしていないのだ。