業務の期限は、仕事上の大きなストレスだが、働く側は、残念ながらどうしようもない、変えようもないことと見なしがちである。しかし、期限がもたらすプレッシャーに対し、簡単な解決策があるとしたら、どうだろう。

 従業員は「期限を延ばしてほしい」と言いたがらない。新しい調査はこれを調べたのだが、どうもそれは従業員の思い違いであるらしい。研究者たちは計7241人の被験者に、10回の実験を実施した。何人かには、論文作成やイベント計画などのタスクを考えるよう、あるいは実際に行うように求め、期限延長を求める機会も与えた。その他の人々はスーパーバイザーの役を務めた。

 主として能力がないと見られたくないという理由で、期限延長を求めない人もいたが、それは見当違いであった。スーパーバイザー役は、期限延長を求めた被験者も同様に能力があると判断し、しかもよりモチベーションが高いと考え、一般的には延長を認めた。