子どもを対象にした「マシュマロ実験」を思い出してほしい。子どもにお菓子を与え、しばらく食べるのを待つことができたら、次のお菓子がもらえると話すという実験で、自制心を測定する。調査からも、直感からも、目標達成に自制心は不可欠と考えられているが、最近の調査で、目標を達成できる人には、別の要素も働いていることが明らかになった。それは目標設定のタイプだ。
研究者たちは、合計800人を超える被験者に対し、3回の調査を行った。第1の調査で被験者には、最近の目標をリストアップして、それら目標がどれほど各自の「本当の自分自身」に合っているかを評価してもらった。そして、各目標に対する達成状況を示してもらった。すると、目標とその人の感じる「自身」との合致(研究者たちはこれを「目標の真正性」と呼ぶ)が大きいほど、達成度が高いことがわかった。
第2の調査で、被験者たちに、「自分自身であると感じる」目標、「人を喜ばせる」目標、「人から敬意を勝ち取る」目標について進捗状況を尋ねた。ここでも、達成度は真正性と相互関係を示した。