業務の成績は、しばしばリセットされる。たとえば、年初には、販売記録や支払い請求が可能な業務時間が、ゼロに戻される。新しい目標を設定して動機付け、改善を目指して努力するためには有効だと考えられているからだ。

 しかし、現実によい成績を上げている人たちについてはどうだろうか。そういう人々はリセットで意欲を削がれ、パフォーマンスの低下を招くという調査結果が表れた。

 研究者たちは、野球のメジャーリーグの過去データを分析した。選手が別のリーグにトレードされると、これまでの統計データがリセットされる。1975年から2014年まで、トレードされた選手のバッティング成績を調べたところ、他リーグへのトレードの場合、同一リーグでのトレードに比べて、打率などの成績が大きく影響されることがわかった。