企業にとって重要な「顧客」「従業員」「プロダクト」「ブランド」の4つのエクスペリエンスは、それぞれに強い相関関係を持っている。従来、これらはばらばらに管理されてきたが、統合的に管理することにより、相乗効果が飛躍的に高まり、顧客価値と企業価値の最大化を図ることができる。

4つのエクスペリエンスを
単一プラットフォームで管理

 経営課題としてカスタマーエクスペリエンス(CX)の向上に力を入れる企業が増えているが、そこで肝心なのは「最初に自社と顧客との間にある“エクスペリエンスギャップ”を把握し、その解消に向けた施策(アクション)を効率的に回していくこと」だと、米Qualtrics日本法人、クアルトリクスのカントリーマネージャー、熊代悟氏は指摘する。

 ネット・プロモーター・スコア(NPS*を考案したベイン・アンド・カンパニーが米国で実施したアンケートの中で、「顧客に素晴らしいエクスペリエンスを提供しているか」を聞いたところ、約8割の企業が「イエス」と答えた。一方、消費者に同じ質問をしたところ、「イエス」と答えたのはわずか8%だったという。

*「この商品・サービスを親しい友人や同僚に薦める可能性はどのくらいあるか?」という質問への回答により、商品・サービスに対する顧客の愛着度合いを測る評価手法。

 熊代氏がエクスペリエンスギャップと呼ぶのは、両者の間に横たわるこの大きな溝のことだ。そのギャップがどこにあるのかを可視化し、それを解消するために担当者が起こすさまざまなアクションの実行・管理を支援するのが、クアルトリクスが提供する統合エクスペリエンス管理(XM)ソリューションである。

 XMソリューションの特徴の一つは、CXだけでなく、企業の従業員を対象にした「従業員エクスペリエンス(EX)」、商品やサービスにフォーカスした「プロダクトエクスペリエンス(PX)」、企業のブランドに焦点を当てた「ブランドエクスペリエンス(BX)」の計4つをサポートしている点だ。

 「この4つは、いずれも企業にとって極めて重要なエクスペリエンスです。例えば、企業と従業員との間にもエクスペリエンスギャップが存在し、それが優秀な社員の離職などを招いています。働き手不足の昨今、このギャップを解消して離職を防止する目的でEX向上に努めるお客様も増えています」(熊代氏)

 それぞれのエクスペリエンスについて、NPSや各種サーベイによる満足度調査と、現場の担当者が使えるさまざまな分析ツールにより、調査から分析、ダッシュボードによる可視化までが行える。