一九九〇年代末、オーストラリアの国営電話会社、テルストラは、初めて競争というものに直面する。米英の通信大手による合弁企業、オプタスがその最大のライバルと目された。テルストラは、このニュー・カマーによって、市場シェアの相当規模を奪われるだろうと予想されていた。そこで同社は、儲かる顧客を死守しつつ、市場侵食のペースを遅らせる、いわゆる「防衛マーケティング」を展開した。