ある商品の購入を検討している時に、別のお金の使い道について考えると、購入に至る機会は減ることが知られている。しかし、ほとんどの調査は、買おうとしているものと同じようなものを対象としている。もし、まったく違うものが比較検討されると、どうなるのだろうか。

 調査は、カラープリンターから映画鑑賞券、マッサージまでを対象に、10回実施された。関連の薄い選択肢の組み合わせ(たとえば、ワイヤレススピーカーとボタンダウンシャツ)で検討すると、似たような選択肢の組み合わせ(ワイヤレススピーカーとヘッドホン)に比べ、当初買おうとしていたものを購入する気持ちがかなり低下した。この現象は実用品についても趣味の品についても当てはまり、購入の代わりの品について思い付いたのが、消費者自身であっても、店の薦めであっても変わらなかった。

 研究者たちは、これは、あるものを買うという決定は、その製品によって提供される目的の重要性に左右されるためだとする。別の種類の製品について考えると、競合する別の目的が浮かび上がり、そちらが重要と考えるかもしれない。