営業担当者が研修中に叩き込まれるのは、サービスに失敗があったら、顧客に対して頭を下げるということだ。しかし、不適切な謝罪が問題となることも認識されるようになり、最善の謝り方について議論が高まっている。

 新たな調査はこの問題に着目し、ウーバーの利用中に何らかの遅延があって、メールによる何らかの謝罪を受けた利用者1500万人の、その後の支出状況について分析したものである。謝罪には5ドルのクーポンがつく場合とつかない場合があった(対照群は何もつかない)。

 結果として、どのような言葉で謝ったかは問題ではないことがわかった。人々にとっては、クーポンがもらえることが大事だったのである。対照群の顧客と比べ、クーポンを受け取った人々はプラットフォームへの支出を増やし、その効果は3カ月後もはっきりしていた。一方、クーポンのない謝罪では、その後の支出の増加は長続きしなかった。これは、「お金を払う」謝罪が信頼性を表しているのに対し、ただの「すみません」は口先だけと受け取られるからだという。