独自の解釈と意味づけから
新しい気づきが得られた
編集部(以下色文字):入山先生は本誌で4年近くにわたって掲載した連載を著書『世界標準の経営理論』にまとめる際に、野中先生のSECIモデルを独立した章にしましたね。
入山:はい、連載時には紙面の制約もあって、同じ「知識」を扱うナレッジ・ベースト・ビューという理論[注1]とSECIモデル(囲み「世界唯一の、知の創造の理論『SECIモデル』」を参照)を一緒に紹介しました。それを書籍化の際にSECIモデルに絞って独立させた理由は、3つあります。
まず、いま思うと連載の時は、自分の中でSECIモデルを十分に理解し切れていませんでした。連載が終わってから野中さんとお話しする機会に恵まれ、自分なりの理解が深まったのです。