リモートワークが進む今
求められる新たな組織開発
中原氏は、新型コロナウイルスの感染拡大によりリモートワークが進む今こそ、職場メンバーが自らの組織の課題解決に取り組む組織開発が求められている、と指摘する。
「在宅ワークではどうしても個業化が進みます。目の前の仕事をただこなす日々が続くうち、チームとして今の仕事がどうなっているのか、この仕事で何を目指しているのかなど、仕事の全体像やゴールが見えにくくなり、人の心が組織から離れやすくなる。こんな時こそ対話を通して主体的に組織の機能を取り戻す、組織開発のような試みが必要なのです」
しかし、一堂に会して対話する従来の組織開発の方法論が通用しなくなってきている今、集まることなく組織開発は機能するものなのだろうか。
「バーチャルでの組織開発に関する研究はほとんど進んでいません。ですが、制約の中で多くの人が困難な状況にあり課題が山積している今は、イノベーションのチャンスでもある。リモートでいかにして組織をまとめ、組織を動かし、どうやって新たな価値を創っていくのか。新たな挑戦を始められる企業とそうでない企業で、明暗が分かれてくるのではないかと考えています」