一般に組織が従業員を表彰するのは、望ましい行動を動機付けるためだ。事前に賞の内容を告知して、基準に合う誰もが頑張るようにしたり、あるいは事後に予告なく賞を授けて驚かせたりする。この2つのアプローチの効果について調査したところ、意外な結果が出た。

 研究チームはカリフォルニア州の14校区で実地調査を行った。秋に少なくとも1カ月皆勤だった中学・高校の生徒1万5329人を選び、それを3グループに分けた。

 翌年1月に、第1グループの生徒たちは、2月に皆勤であれば表彰されるという通知を受け取った。第2グループの生徒たちは、秋に皆勤の1カ月があったことから、それに対する賞が与えられると言われた。第3グループは対照群とされた。2月の出席率を見ると、今後の出席によると言われた第1グループは、対照群の生徒たちと同じであった。過去の成績を表彰する第2グループの生徒たちは、他と比べて欠席率が8%高くなった。