中国には五〇〇〇年に及ぶ歴史と文化が多くの史書に残されている。中国発の経営管理書『水煮三国』の著者である成君憶は、なかでも『三国志』に登場する英雄たちの栄枯盛衰の歴史にこそ、中国文明におけるリーダーシップの主流が証明されていると言う。その真髄は、慈愛である。慈愛があれば寛容となり、勇敢となって責任を持ち、創造力が生まれる。それは、人を基とするマネジメントの価値を知ることにほかならない。慈愛に満ちたリーダーたちの智慧は、長い時間を経ていまなお我々に、新たなマネジメントの道を示してくれる。